真夏の方程式
あらすじ
両親が仕事で忙しく、その間、柄崎恭平は玻璃ヵ浦に住む親戚の旅館に行くことになった。親戚の家へ電車で向かう最中に携帯電話のことで隣りの座席に座るおじいさんから席を移動するように言われた。しかし、前に座る男が携帯をアルミホイルで包んで、電波がでないから問題ないと言ったことにより、おじいさんからの文句はなくなった。その後、前に座る男が別の場所に座り、男に興味を持った恭平も男の前に移動する。恭平が旅館の地図を広げていると男が地図を見て恭平と会話し、旅館の電話番号などをメモした。男は旅館に宿泊することにしたのだった。その夜、宿泊客の一人がいなくなり、翌朝遺体が発見された。
感想
環境保護活動の取り組み方を考えさせられた。開発と環境保護が対立する場合、開発の詳細を知った上で環境保護を訴えることが、より公平な立場で活動できる。このことを知った川畑成実は環境保護活動を今までよりも多面的な視点で行うことができるだろう。湯川は人の考えを改めさせるのが上手い。
恭平と湯川の関係が良かった。子ども扱いせずに向き合う湯川に真摯さを感じた。実験を一緒にしたり、宿題についてアドバイスしたりと思いやりがある。ラストの行動にも思いやりを感じた。
罪を犯した者には背負うものができる。罪を隠した場合、年月を経ても背負うものは残り続け生き方にも影響を及ぼす、ということが書いてあった。しかし、隠すことが悪いことだとは決めつけていない。
人に言えない秘密というのは、私たちにもあるのではないだろうか。その秘密が私たちを苦しめることもあるのだなと改めて気づいた。
しかし、背負いながらも生きていくことは未来に繋がるのだ。湯川の思いが伝わってきた。
両親が仕事で忙しく、その間、柄崎恭平は玻璃ヵ浦に住む親戚の旅館に行くことになった。親戚の家へ電車で向かう最中に携帯電話のことで隣りの座席に座るおじいさんから席を移動するように言われた。しかし、前に座る男が携帯をアルミホイルで包んで、電波がでないから問題ないと言ったことにより、おじいさんからの文句はなくなった。その後、前に座る男が別の場所に座り、男に興味を持った恭平も男の前に移動する。恭平が旅館の地図を広げていると男が地図を見て恭平と会話し、旅館の電話番号などをメモした。男は旅館に宿泊することにしたのだった。その夜、宿泊客の一人がいなくなり、翌朝遺体が発見された。
感想
環境保護活動の取り組み方を考えさせられた。開発と環境保護が対立する場合、開発の詳細を知った上で環境保護を訴えることが、より公平な立場で活動できる。このことを知った川畑成実は環境保護活動を今までよりも多面的な視点で行うことができるだろう。湯川は人の考えを改めさせるのが上手い。
恭平と湯川の関係が良かった。子ども扱いせずに向き合う湯川に真摯さを感じた。実験を一緒にしたり、宿題についてアドバイスしたりと思いやりがある。ラストの行動にも思いやりを感じた。
罪を犯した者には背負うものができる。罪を隠した場合、年月を経ても背負うものは残り続け生き方にも影響を及ぼす、ということが書いてあった。しかし、隠すことが悪いことだとは決めつけていない。
人に言えない秘密というのは、私たちにもあるのではないだろうか。その秘密が私たちを苦しめることもあるのだなと改めて気づいた。
しかし、背負いながらも生きていくことは未来に繋がるのだ。湯川の思いが伝わってきた。
麒麟の翼
あらすじ
ある夜、ふらふらと歩く男を近くにいた巡査が目撃する。男は日本橋の欄干にもたれかかり動かなくなった。よく見ると、男の胸にはナイフが刺さっていた。男は病院に運ばれたが死亡する。
加賀と松宮は事件の捜査を始める。その折、不審人物が見つかった。事件直後に若い男が逃走しトラックにはねられ、意識不明になったのだ。若い男の持ち物から被害者の財布と書類鞄が見つかる。そして、被害者との関係が分かるにつれて、警察は若い男を犯人と決めつけて裏付け捜査をしだす。
感想
推理小説です。どうもこのジャンルは苦手です。死というものはとても悲しいものだと考えています。この死をどう料理していくかが推理小説のように勘違いしてしまうのです。死んだ人とその関係者、そして殺人者とその関係者の人間性をあぶり出していくところが面白いのかもしれませんが、私の場合、死が登場してしまうと楽しむのは失礼ではないかと考えてしまうところがあります。青柳武明が冒頭から死ぬわけですが、そこから私は楽しまなくなったのです。
それはさておき、
殺人には殺される側の理不尽さがあります。会社が青柳武明に全責任を押し付ける理不尽さもあったりして魅力を引き立たせています。
中原香織が不審人物の八島冬樹を人殺しはしないと信じている姿が、少し美しかったです。
読書のやり方の一つに、作者と読者が戦うというやり方があるそうです。推理小説はそのやり方が合っていそうです。
謎の一つは青柳武明がなぜ日本橋の欄干の麒麟像にもたれかかったのかというところですが、この理由は私は全くわかりませんでした。
青柳武明の息子の父への見方が変わるのですが、これは後ではっきりと書かれるまで気づきませんでした。控え目な文章なのですね。
気づかないと言えば、加賀がこっそりと気づいているところがいくつもあるのです。松宮にあとで教える場面があって、そこで私もなるほどと思わされることがありました。こういう書き方はうまいです。読み終わって、まだ私の気づいていないことがありそうです。
「死を間近に迎えた時、人間は本当の心を取り戻します。プライドや意地といったものを捨て、自分の最後の願いと向き合うんです。彼等が発するメッセージを受け止めるのは生きている者の義務です。」というセリフには心を揺さぶられました。私もそこまで考えて行動してくるべきだったと思いました。
読後感は、救われた人もいたりして、前を向いて歩いていくという感じでした。こういう終わり方は綺麗だなと思いました。掘り下げはそれほど深くは感じませんでしたが、あっさり読めるというのはよかったです。といいつつ、4日間かけてゆっくり読みました。一気に読むという本ではなかったです。
父親が何を考えているのか気になってくる作品でした。
ある夜、ふらふらと歩く男を近くにいた巡査が目撃する。男は日本橋の欄干にもたれかかり動かなくなった。よく見ると、男の胸にはナイフが刺さっていた。男は病院に運ばれたが死亡する。
加賀と松宮は事件の捜査を始める。その折、不審人物が見つかった。事件直後に若い男が逃走しトラックにはねられ、意識不明になったのだ。若い男の持ち物から被害者の財布と書類鞄が見つかる。そして、被害者との関係が分かるにつれて、警察は若い男を犯人と決めつけて裏付け捜査をしだす。
感想
推理小説です。どうもこのジャンルは苦手です。死というものはとても悲しいものだと考えています。この死をどう料理していくかが推理小説のように勘違いしてしまうのです。死んだ人とその関係者、そして殺人者とその関係者の人間性をあぶり出していくところが面白いのかもしれませんが、私の場合、死が登場してしまうと楽しむのは失礼ではないかと考えてしまうところがあります。青柳武明が冒頭から死ぬわけですが、そこから私は楽しまなくなったのです。
それはさておき、
殺人には殺される側の理不尽さがあります。会社が青柳武明に全責任を押し付ける理不尽さもあったりして魅力を引き立たせています。
中原香織が不審人物の八島冬樹を人殺しはしないと信じている姿が、少し美しかったです。
読書のやり方の一つに、作者と読者が戦うというやり方があるそうです。推理小説はそのやり方が合っていそうです。
謎の一つは青柳武明がなぜ日本橋の欄干の麒麟像にもたれかかったのかというところですが、この理由は私は全くわかりませんでした。
青柳武明の息子の父への見方が変わるのですが、これは後ではっきりと書かれるまで気づきませんでした。控え目な文章なのですね。
気づかないと言えば、加賀がこっそりと気づいているところがいくつもあるのです。松宮にあとで教える場面があって、そこで私もなるほどと思わされることがありました。こういう書き方はうまいです。読み終わって、まだ私の気づいていないことがありそうです。
「死を間近に迎えた時、人間は本当の心を取り戻します。プライドや意地といったものを捨て、自分の最後の願いと向き合うんです。彼等が発するメッセージを受け止めるのは生きている者の義務です。」というセリフには心を揺さぶられました。私もそこまで考えて行動してくるべきだったと思いました。
読後感は、救われた人もいたりして、前を向いて歩いていくという感じでした。こういう終わり方は綺麗だなと思いました。掘り下げはそれほど深くは感じませんでしたが、あっさり読めるというのはよかったです。といいつつ、4日間かけてゆっくり読みました。一気に読むという本ではなかったです。
父親が何を考えているのか気になってくる作品でした。
しばらく不定期更新になります
自由時間が減ったため、読書の時間を削ることにしました。
申し訳ないのですが、不定期更新になります。
小説が好きな気持ちは変わっていないので、自由時間ができたら、再び沢山読みたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
申し訳ないのですが、不定期更新になります。
小説が好きな気持ちは変わっていないので、自由時間ができたら、再び沢山読みたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
とある魔術の禁書目録 2 ※ネタばれあり
あらすじ
ファーストフード店で巫女さんと相席になった上条当麻は巫女さんからお金をくれと頼まれる。全財産が大ピンチな上条はすげなく断った。ふと気づくと席の周りにたくさんの人が立っていた。巫女さんはその人たちと一緒に帰っていった。上条は帰り道の途中でステイルに会う。ステイルによると、三沢塾に女の子、姫神秋沙が監禁されているそうだ。写真を見せてもらった上条は目を見開いた。その写真に写っていたのはファーストフード店で会った巫女さんだったのだ。
感想
あとがきを読んで後悔している。『失敗した上条当麻』と書いてあったのだ。感想を書こうとすると、この言葉が思考の大部分を占めてしまう。読んでいるときは楽しさすら感じていたのに、この言葉を見た後では、本巻は実にこの言葉がしっくりくると思ってしまう。
別の考えはどうも自然じゃない。例えば、上条がアウレオルスを救ったという考えはかなり無理がある。インデックスを助けるために地獄を見てきた(と勝手に推測される)アウレオルスはもうこれ以上苦しまなくて済むという考えだ。
上条がインデックスを助けたから、アウレオルスはこれ以上のことはしなくてよい。しかし、インデックスはアウレオルスのことを思い出してくれない。そのことが悲しい。しかし、上条の右手がアウレオルスの記憶を消した。だから悲しむ必要もなくなった。そしてアウレオルスでなく別人として暮らしていくことになった。よかった。救われた。
こんな結末をアウレオルスは望んでいない。アウレオルスの望みはインデックスに振り向いてもらうことだ。そのためには以前の記憶を取り戻さなければならない。以前の記憶がなくてもいいという現実は受け入れられない。それにインデックスには既に振り向く相手ができている。そんな奴は消してしまわなければならない。そしてアウレオルスは上条と戦い敗れた。消されたのはアウレオルスだった。
本巻の内容は上条が『失敗した上条当麻』を消す方法だった。
補足
科学と魔術の世界はうまく住み分けされているようだ。その中で今回、科学側の世界で魔術側の魔術師が事件を起こしたものだから、学園都市統括理事長、アレイスターは魔術師であるステイルに解決してもらうことになった。科学の能力者を魔術師がかくまっているというややこしい話になっていて、科学側のアレイスターが魔術側のステイルに解決を頼んだ形になっている。魔術側の事件は魔術師に解決してもらう。
上条はインデックスの心を思って「記憶を失う前の上条」を演じることにした。インデックスの「記憶を失う前の上条」を思う気持ちが、上条の自身の心配よりも大事に思えたのだ。上条の考えは美しいが危うい。記憶を失う前の自分を演じることは、少ない情報の中で行動するためひどく難しい。この美しさと危うさに何とも言えない感情を抱いてしまう。上条はもう一人(記憶を失う前)の上条に追いつけるのか?
他人を幸せにする、というボランティア精神が上条の生き方である。上条はインデックスの幸せを自分の幸せのように感じている部分がある。他人が幸せになるのを見ると幸せになれる。自分自身は幸せにすることができない上条は、代わりに自分の力で自分に近いものを幸せにすることに意味を見出そうとしている。
インデックスは、自分の頭にある知識をいたずらに使うことはない。しかし、修行中の身で嗜好品の摂取は禁じられているというのにアイスを食べたり、勝手に猫を飼うことにしたりと規則破りな部分もある。やって良い事とやってはいけない事の区別を自分で考えているようだ。
ステイルにとって殺すか殺されるかはいつも通りのことだったという事実。ただ、その感覚は心地よくないと考えている。まだ、人間の感情と言える部分はわずかながら残っているのだ。
上条の性格は正義感に溢れている。姫神を殺そうとしたアウレオルスに本気で怒り全力でぶつかった。そんな熱い上条を応援していこうと思う。
ファーストフード店で巫女さんと相席になった上条当麻は巫女さんからお金をくれと頼まれる。全財産が大ピンチな上条はすげなく断った。ふと気づくと席の周りにたくさんの人が立っていた。巫女さんはその人たちと一緒に帰っていった。上条は帰り道の途中でステイルに会う。ステイルによると、三沢塾に女の子、姫神秋沙が監禁されているそうだ。写真を見せてもらった上条は目を見開いた。その写真に写っていたのはファーストフード店で会った巫女さんだったのだ。
感想
あとがきを読んで後悔している。『失敗した上条当麻』と書いてあったのだ。感想を書こうとすると、この言葉が思考の大部分を占めてしまう。読んでいるときは楽しさすら感じていたのに、この言葉を見た後では、本巻は実にこの言葉がしっくりくると思ってしまう。
別の考えはどうも自然じゃない。例えば、上条がアウレオルスを救ったという考えはかなり無理がある。インデックスを助けるために地獄を見てきた(と勝手に推測される)アウレオルスはもうこれ以上苦しまなくて済むという考えだ。
上条がインデックスを助けたから、アウレオルスはこれ以上のことはしなくてよい。しかし、インデックスはアウレオルスのことを思い出してくれない。そのことが悲しい。しかし、上条の右手がアウレオルスの記憶を消した。だから悲しむ必要もなくなった。そしてアウレオルスでなく別人として暮らしていくことになった。よかった。救われた。
こんな結末をアウレオルスは望んでいない。アウレオルスの望みはインデックスに振り向いてもらうことだ。そのためには以前の記憶を取り戻さなければならない。以前の記憶がなくてもいいという現実は受け入れられない。それにインデックスには既に振り向く相手ができている。そんな奴は消してしまわなければならない。そしてアウレオルスは上条と戦い敗れた。消されたのはアウレオルスだった。
本巻の内容は上条が『失敗した上条当麻』を消す方法だった。
補足
科学と魔術の世界はうまく住み分けされているようだ。その中で今回、科学側の世界で魔術側の魔術師が事件を起こしたものだから、学園都市統括理事長、アレイスターは魔術師であるステイルに解決してもらうことになった。科学の能力者を魔術師がかくまっているというややこしい話になっていて、科学側のアレイスターが魔術側のステイルに解決を頼んだ形になっている。魔術側の事件は魔術師に解決してもらう。
上条はインデックスの心を思って「記憶を失う前の上条」を演じることにした。インデックスの「記憶を失う前の上条」を思う気持ちが、上条の自身の心配よりも大事に思えたのだ。上条の考えは美しいが危うい。記憶を失う前の自分を演じることは、少ない情報の中で行動するためひどく難しい。この美しさと危うさに何とも言えない感情を抱いてしまう。上条はもう一人(記憶を失う前)の上条に追いつけるのか?
他人を幸せにする、というボランティア精神が上条の生き方である。上条はインデックスの幸せを自分の幸せのように感じている部分がある。他人が幸せになるのを見ると幸せになれる。自分自身は幸せにすることができない上条は、代わりに自分の力で自分に近いものを幸せにすることに意味を見出そうとしている。
インデックスは、自分の頭にある知識をいたずらに使うことはない。しかし、修行中の身で嗜好品の摂取は禁じられているというのにアイスを食べたり、勝手に猫を飼うことにしたりと規則破りな部分もある。やって良い事とやってはいけない事の区別を自分で考えているようだ。
ステイルにとって殺すか殺されるかはいつも通りのことだったという事実。ただ、その感覚は心地よくないと考えている。まだ、人間の感情と言える部分はわずかながら残っているのだ。
上条の性格は正義感に溢れている。姫神を殺そうとしたアウレオルスに本気で怒り全力でぶつかった。そんな熱い上条を応援していこうと思う。
蹴りたい背中 ※ネタばれあり
あらすじ
高校のクラスで孤立したハツは授業に出るのに苦労する。適当に班をつくるときは余りものにされる。同じ境遇の人がいる。にな川だ。授業中にハツはプリントを裂いていたが、にな川は女性ファッション誌を広げている。男性なのに女性ファッション誌とは、かなりマニアックである。ハツはそんなにな川に興味を持ち始める。ハツはにな川が見ている雑誌のモデルを見たことがあり、そのことをにな川に告げたところ、彼の部屋に招待された。この本では男女の関係が描かれているが、普通ではなく不思議な関係である。
感想
授業の班決めで余りもののハツには、壊れそうな椅子があてがわれた。こういうときは現実を自分の都合の良いように解釈して、心の平静を保つことが必要だ。
「余り者には余り者がしっくりくるのだ。いじめじゃない、ごく自然なことなんだ。似合うから、しっくりくるから、しようがないんだ。」
少し無理があってもハツは矛盾を無視ししている。そうしないと、「いじめ」という、受け入れられない現実と向かい合わなければならなくなる。こういう場面に出会ったら、誰だって必死に抗う。
先生が協力してスケッチをしましょうと言うのだが、これはかなり辛いなあ。余り者に協力とか拷問でしかない。まだ10ページ目なんだけれど、読むのが辛くなって2時間ほど他のことをしていました。この本は別に面白くないんじゃないか?とか考えたりしていました。その後、おっくうな気持ちで再び本を手に取りました。
親友の絹代の言葉
『ごめんね、ドタキャンして。だってハツが入っちゃうと、うちのグループの一人が、他に行かなくちゃいけなくなるんだもん。』
ドタキャンという言葉でごまかしているが、ハツはグループ全員よりも軽く見られているということが分かる。残酷なセリフをはっきりと言う。嘘をつけない性格なのか、人を傷つけても気にしない性格なのか?それでもハツは絹代が好きなのである。
ハツは、余り者も嫌いだけど、グループはもっと嫌だ。できた瞬間から繕わなければいけない、不毛なものだから、と考えている。ハツはグループに入れないんじゃなくて、入らないんだ。絹代が薄情なのかと思っていたけれど違うんだ。絹代が優しく誘ってくれたのに断るとは徹底しているな。余り者になるのも当然だ。中学校時代にグループに入っていて、嫌な思いをしてきたハツ。新しいスタートを切ったときに、別の道を探そうとするのは自然なことだ。どちらがより辛いかは、今後自分で気づいていくのでしょう。
にな川の家に行ったハツだが、私の根拠のない推測では、ハツは絹代の「ほれられたのかもね」という言葉を聞いて、もしかしたら本当かもしれない、と少しだけ思っている。期待と困惑が入り交じって怖がっている。
『おれ、今、一緒にいることができてるんだな……生のオリチャンと会ったことのある人と。』
にな川がハツを家に連れてきた理由もはっきりする。ハツが好きなのではなかった。ハツにオリチャンのことを聞きたいだけだった。ハツは怒りを覚える。オリチャンの雑誌や服などを集めたりしている。ファンだと言っているが、ちょっと行き過ぎている。気持ち悪い。私だったらこんな家にはもういたくない。期待させといて、別の人が好きだと言うところは無神経だ。ハツがオリチャンと出会った嫌な記憶も思い出して、一刻も早く立ち去りたいと思うようになる。それですぐに帰る。
ハツは陸上部に所属している。その先生の態度はハツの気持ちを乱す。
「先生は女子が寄ってくるのが嬉しいんじゃなくて、人間が寄ってくるのが嬉しいんだ。私には分かる。人間に囲まれて先生が舞い上がる度に、生き生きする度に、私は自分の生き方に対して自信をなくしていく。」
自分の生き方とは、周囲の人に媚びずに一人で生きていくということ。でも正反対の生き方をしていてうまくいっている人がいる、という事実は生き方を迷わせる。ハツは一人で生きていくことの大変さを既に知っているから。
他人の機嫌をとるためには、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先させないといけないこともある。裏に回ると舌をべーっと出して見下すことを媚びることだと考えている人もいるようだが、私は自己犠牲こそが媚びるということなのではないかと考えている。自己犠牲とは何か。ウィキペディアに、「目的達成のために自己の利益や時に生命までも捨てて挑んだり行動したりすることである。」と書いてある。目的は先生の場合、部活動で問題を起こさないことだ。自己の利益とは先生の場合、尊敬されることと推測できる。つまり、先生は軽蔑されても部活動に問題が起きなければよいと考えているのだ。軽蔑されるよりは尊敬されることの方がいいに決まっている。しかし、それができないならば自分にできることをまずやるべきだ。先生は自分ができることをやった。ハツの思う通り、たしかに、もの哀しいが先生が間違っているとは決めつけられない。
しかし、ハツの生き方も気高いと思う。強がりかもしれないが。
「この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい。痛がるにな川を見たい。いきなり咲いたまっさらな欲望は、閃光のようで、一瞬目が眩んだ。
瞬間、足の裏に、背骨の確かな感触があった。」
にな川のオリチャンへの思いに対してハツはおそらく軽蔑したくなった。おそらく裏切られたとも思った。その仕返しだ。どうなんだろう?よくわからないな。わからないまま本を読み進めていった。
「彼は絹代に引っぱられたせいでだらしなくはだけているシャツの襟元もそのままに、がらんどうの目をして放心している。そして私にはそんな彼が、たまらないのだった。もっと叱られればいい、もっとみじめになればいい。」
ハツは自分がみじめなことに気づいている。だから自分よりもっとみじめな人を見ると安心する。優越感すら得られるかもしれない。にな川はみじめだ。だからにな川を見ることが好きなのだ。違うかな?ハツはにな川に対して恋愛感情を持っているが、それが好きという感情なのかどうかは怪しい。蹴りたいのだ。
高校のクラスで孤立したハツは授業に出るのに苦労する。適当に班をつくるときは余りものにされる。同じ境遇の人がいる。にな川だ。授業中にハツはプリントを裂いていたが、にな川は女性ファッション誌を広げている。男性なのに女性ファッション誌とは、かなりマニアックである。ハツはそんなにな川に興味を持ち始める。ハツはにな川が見ている雑誌のモデルを見たことがあり、そのことをにな川に告げたところ、彼の部屋に招待された。この本では男女の関係が描かれているが、普通ではなく不思議な関係である。
感想
授業の班決めで余りもののハツには、壊れそうな椅子があてがわれた。こういうときは現実を自分の都合の良いように解釈して、心の平静を保つことが必要だ。
「余り者には余り者がしっくりくるのだ。いじめじゃない、ごく自然なことなんだ。似合うから、しっくりくるから、しようがないんだ。」
少し無理があってもハツは矛盾を無視ししている。そうしないと、「いじめ」という、受け入れられない現実と向かい合わなければならなくなる。こういう場面に出会ったら、誰だって必死に抗う。
先生が協力してスケッチをしましょうと言うのだが、これはかなり辛いなあ。余り者に協力とか拷問でしかない。まだ10ページ目なんだけれど、読むのが辛くなって2時間ほど他のことをしていました。この本は別に面白くないんじゃないか?とか考えたりしていました。その後、おっくうな気持ちで再び本を手に取りました。
親友の絹代の言葉
『ごめんね、ドタキャンして。だってハツが入っちゃうと、うちのグループの一人が、他に行かなくちゃいけなくなるんだもん。』
ドタキャンという言葉でごまかしているが、ハツはグループ全員よりも軽く見られているということが分かる。残酷なセリフをはっきりと言う。嘘をつけない性格なのか、人を傷つけても気にしない性格なのか?それでもハツは絹代が好きなのである。
ハツは、余り者も嫌いだけど、グループはもっと嫌だ。できた瞬間から繕わなければいけない、不毛なものだから、と考えている。ハツはグループに入れないんじゃなくて、入らないんだ。絹代が薄情なのかと思っていたけれど違うんだ。絹代が優しく誘ってくれたのに断るとは徹底しているな。余り者になるのも当然だ。中学校時代にグループに入っていて、嫌な思いをしてきたハツ。新しいスタートを切ったときに、別の道を探そうとするのは自然なことだ。どちらがより辛いかは、今後自分で気づいていくのでしょう。
にな川の家に行ったハツだが、私の根拠のない推測では、ハツは絹代の「ほれられたのかもね」という言葉を聞いて、もしかしたら本当かもしれない、と少しだけ思っている。期待と困惑が入り交じって怖がっている。
『おれ、今、一緒にいることができてるんだな……生のオリチャンと会ったことのある人と。』
にな川がハツを家に連れてきた理由もはっきりする。ハツが好きなのではなかった。ハツにオリチャンのことを聞きたいだけだった。ハツは怒りを覚える。オリチャンの雑誌や服などを集めたりしている。ファンだと言っているが、ちょっと行き過ぎている。気持ち悪い。私だったらこんな家にはもういたくない。期待させといて、別の人が好きだと言うところは無神経だ。ハツがオリチャンと出会った嫌な記憶も思い出して、一刻も早く立ち去りたいと思うようになる。それですぐに帰る。
ハツは陸上部に所属している。その先生の態度はハツの気持ちを乱す。
「先生は女子が寄ってくるのが嬉しいんじゃなくて、人間が寄ってくるのが嬉しいんだ。私には分かる。人間に囲まれて先生が舞い上がる度に、生き生きする度に、私は自分の生き方に対して自信をなくしていく。」
自分の生き方とは、周囲の人に媚びずに一人で生きていくということ。でも正反対の生き方をしていてうまくいっている人がいる、という事実は生き方を迷わせる。ハツは一人で生きていくことの大変さを既に知っているから。
他人の機嫌をとるためには、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先させないといけないこともある。裏に回ると舌をべーっと出して見下すことを媚びることだと考えている人もいるようだが、私は自己犠牲こそが媚びるということなのではないかと考えている。自己犠牲とは何か。ウィキペディアに、「目的達成のために自己の利益や時に生命までも捨てて挑んだり行動したりすることである。」と書いてある。目的は先生の場合、部活動で問題を起こさないことだ。自己の利益とは先生の場合、尊敬されることと推測できる。つまり、先生は軽蔑されても部活動に問題が起きなければよいと考えているのだ。軽蔑されるよりは尊敬されることの方がいいに決まっている。しかし、それができないならば自分にできることをまずやるべきだ。先生は自分ができることをやった。ハツの思う通り、たしかに、もの哀しいが先生が間違っているとは決めつけられない。
しかし、ハツの生き方も気高いと思う。強がりかもしれないが。
「この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい。痛がるにな川を見たい。いきなり咲いたまっさらな欲望は、閃光のようで、一瞬目が眩んだ。
瞬間、足の裏に、背骨の確かな感触があった。」
にな川のオリチャンへの思いに対してハツはおそらく軽蔑したくなった。おそらく裏切られたとも思った。その仕返しだ。どうなんだろう?よくわからないな。わからないまま本を読み進めていった。
「彼は絹代に引っぱられたせいでだらしなくはだけているシャツの襟元もそのままに、がらんどうの目をして放心している。そして私にはそんな彼が、たまらないのだった。もっと叱られればいい、もっとみじめになればいい。」
ハツは自分がみじめなことに気づいている。だから自分よりもっとみじめな人を見ると安心する。優越感すら得られるかもしれない。にな川はみじめだ。だからにな川を見ることが好きなのだ。違うかな?ハツはにな川に対して恋愛感情を持っているが、それが好きという感情なのかどうかは怪しい。蹴りたいのだ。

