チーズは見つかった?

ライトノベルを中心に本の読書感想文を書いています。レビューはほとんどせず、自分の思ったことを素直に書いていきます。

 

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ギフテッド ※ネタばれあり 

あらすじ

天子峰で幹部になるには、初めから幹部候補生として入社する必要がある。そして、試験を受ける条件は『なし』である。天子峰コーポレーション東京支部に来た加納弥助は男が天子峰の社員に暴行されている所を目撃する。暴行した社員に連れられて二十七階、屋上に着いた加納は社員から試験内容を告げられた。
「ここから飛び降りてください。以上が試験内容です」
秀でた能力の持ち主が集う企業国家、天子峰。弥助はどこまで登っていけるのか?

感想

弥助は予測していた試験内容と試験官から言われた内容から一瞬で判断し飛び降りた。飛び降りる中での感想は「面白い」である。私の弥助に対する第一印象は、凄さというよりもむしろ異質さであった。普通のライトノベルは命を賭けるのはクライマックスくらいのものであるのに、この本では冒頭で命を賭けてくるのだから、異質である。しかも弥助の場合、十分な動機もなしの行動である。さらに、これは第一の試験に過ぎず、この飛び降り試験を合格した人たち、幹部候補生による一斉試験が続くのだから、話がぶっ飛んでいる。

試験教官が悪役にぴったりである。幹部候補生の一人が教官に質問したところ、教官が質問者をいきなり銃で撃ち抜き幹部候補生を恐怖に陥れるのである。幹部候補生が異質ならば教官も異質ということか。ここでも弥助の考え方は普通じゃない。死を覚悟したことのある幹部候補生に恐怖を与えるなんて、賞賛すべきじゃないのか? という考えである。私は弥助に対する評価をさらに変えた。賞賛されるべきは弥助だ。こんなときにも冷静な判断ができるのは、まれな才能だ。

次に社長の石刀昴が3D映像で登場するのだが、幹部候補生が一人欠けていることに気付き教官に尋ねると、教官は答えた後、自分の太ももをサバイバルナイフで突き刺すという行動に出る。石刀昴の格の違いを見せつけられ、さらなる異質さを感じた。非常に能力の秀でた人間は、異質に見えるのだろう……?上に立つ者は、有能でなければならない、という石刀昴の言葉は当たり前であるが、奥が深いと感じた。これが天子峰の強さに繋がっているのだな。

幹部候補生には自衛権以外ない。ほぼ全ての人間の権利を剥奪して、そこで自由に行動させ這い上がってきたものを幹部とするという天子峰の試験は常軌を逸している。しかし、飛び降りの試験を課すくらいだから、このくらいは当たり前なのかもしれない。唯一、寮だけは無法地帯になっているので、そこは比較的安全と言える。

そんな中で幹部候補生の各々は活動を開始する。

組織をつくる一宮。単独行動をする伊勢、枇杷島。弥助はエルと行動を共にする。そうしていく中で他人に無関心だった弥助はエルに今まで感じたことのない感情を抱くことになる。そしてエルを守っていくことにする。私は、ここまで弥助を凄いとは思ったが共感できなかったが、エルを大事に思っていくというところで、弥助にも人の心があったのだなと感じた。弥助に携帯盗難疑惑がかかりエルの立場も悪くなりそうになったときに弥助はエルとの関係を切ろうとするが、エルは弥助と共に行く道を選んだ。そして弥助もそれを受け入れた。エルには選択問題で間違うことがないということで弥助についていくことが正解だと分かっていた。だから、エルにとっては弥助を説得することが大事だったのだが、よく小学生が高校生を説得できたと思う。エルにとって、かなり必死だったに違いない。

弥助の心を揺り動かした者がもう一人いた。綾芽である。心優しく、美しい彼女は、弥助が一宮の部屋で盗聴器を隠すのを見たことを材料に、本性を表し弥助を脅す。綾芽が優しい心と黒い心を併せ持っており、世界の不条理を何とかしたいという熱い思いに触れた弥助は自分の凍てついた心が溶けていくように感じたのだった。濃い執念を持った綾芽からは確かに私も感じるものがあったが、弥助がそこまで思う程だったかどうかは、どうも説得力に欠けるような気がした。弥助は鈍感だからな。それにしても綾芽の設定には驚かされた。

弥助、綾芽、枇杷島、伊勢、エルが共闘して教官と戦う場面は熱かった。本のかなりのページ数を占めているが、休まずに読んでも苦にならなかった。戦闘好きにはたまらない。ただ、それ以外に私は特別書き残しておく感想はなかった。教官に倒されそうになったときに、今までの弥助の考えを思い出しながら戦っていくという感じだった。弥助の戦い方は実に危険だった。自分では到底真似できないと思った。

エンディングでは各人の状況がわかり一安心した。

この本はライトノベルの中では異色の作品かもしれない。主人公やヒロインにあえて感情移入しにくく作ってあるように感じた。主人公は普通の人間ではないのだ。かと言ってヒーローというわけでもない。教官が敵というのは明らかだったので、それでなんとか方向性がわかった。また、登場人物たちが秀でた能力の持ち主ばかりだったというのも挑戦的な作品だったと思う。登場人物たちの考えに驚かされながら、ページを捲っていった。今は、こういうのもありかなと思っている。もう少し、様子を見たい作品だった。
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